親から子へ

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生物は、いつかは死ぬのに、
何故生まれてくるんだろう…

この作品は1998年9月〜1999年1月
までの4ヶ月で描き上げた作品です。
確かこれを描き上げた時は僕もまだ20歳に
なったばかりで、大人の仲間入りをした
記念にという作品を描いてみたい思いがあり
子供を育てた事も無い若造がとんでもない
タイトルの作品をつくっちゃいました。
今ではとてもいい思い出になっています。
後は、僕の憧れの的だった藤子・F・不二雄
を超えた作品を描いてみたいという思いも
ありました。彼は18の時、ユートピアと
いう100ページのSF作品を安孫子氏と
1年で描き上げ、見事それがデビュー作品
となりました。ちょうど僕はその頃、彼らが
ユートピアを描き上げた年齢とほぼ同世代、
今の彼らを追い越すなど土台無理な話ですが
同年齢くらいの頃の彼らは追い抜きたい。
そこでユートピアを遥かに超えるSF作品を
描いてみたいと思ったのがこの作品の
そもそものコンセプトになりました。
与えた舞台はなんと地球の歴史そのもの!
原始の生命の誕生からスタートし、始めは
人間が今の文明まで育った所で話を終わらせ
ようと思ってたのですが、この手の終わり方
をする話はわりとよくあるので、人間の世界
よりもまだ先がどうなっていくのかも描いて
いきました。
最後には思いがけない衝撃のラストが
待っています。それは是非作品をお読みに
なって体感していただけると嬉しいです。
この作品を描いた後、半年以上、何も
アイデアが思い浮かばなかったというくらい
濃いエッセンスを凝縮した作品です。
今、考えてみればこの作品が僕の作品の
世界観のイメージを完全に位置づけた最初の
作品になっているかもしれません。

 

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